2017 09123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 11





ぴくしぶ





綾乃さん誕生日

まともなの出来そうにないなぁ。
あ、つづきからどーぞ。
【綾ちなとか真剣に考えてみた結果】

着たのは期待してのことじゃない。
家から出たのもほんの気まぐれ。
だから誰かに会っても平静を装うつもりだった。
いつもの制服に身を包んでいればそれも出来たであろうけれど。
「あれ、杉浦先輩?」
「ひゃい!?」
……無理だった。
「偶然ですねー。杉浦先輩も買い物ですか?」
「え?ええ、そんなところよ」
一学年後輩の吉川さん。
彼女と一対一で話したことは、片手で足りるくらいしかないけれど
彼女が入っている非公認の部活、ごらく部の皆と合わせるとそれはもう両手でも足りない。
「てか、先輩の服可愛らしいですね。フリル一杯で。どこで買ったんですか?」
「え、ここここれ!?これは…その、あれよ!」
「落ち着いて下さいねーwあ、わかった!京子先輩に貰ったとか?なんちゃって」
「ととと歳納京子はかかか関係ないわっ!歳納京子は!!」
全く関係ないと言えば嘘になるけど、自分でももう何言ってるか解らなかった。
「そーですか?いやその反応、明らかに京子先輩噛んでますよね。違います?」
「うっ…」
なんだかんだでこの子はちゃんと見ている。
観念した私はこの洋服について、喋り出していた。



買い物しようと家を出た訳じゃない。
勿論、財布にはそんなに持ち合わせもなくて。
断ればよかったのに私は。
「あ!ねこくらげの新商品出てる」
そんな吉川さんの視線の先で、くらげ3姉妹の新商品を見つけてしまった目が恨めしかった。
「ぬいぐるみとかって1個1個表情が違うわよね」
「ですよね!可愛いのはすぐになくなっちゃってるんですよ~」
「そうそう。でも欲しいから妥協して買っちゃったり」
「でも買った子でも段々可愛くなって来ちゃって」
「なんなのかしら?あれって」
「親バカ理論ですよ。うちの子が一番可愛い」
「あー…」
そんな他愛ない会話を続けてるうちに時間はあっという間に過ぎて行った。
「杉浦先輩は買わないんですか?」
「気に入った子がいなかったのよ…」
「あらーそうですか、残念。そうだ!先輩、このあとちょっとだけいいですか?」
「え?まあ、いいけど」
会計に行ってしまった吉川さんを横目に見ながらふと思う。
こんなに長く一年生と二人きりで話したことない、と。
決して親しくない訳じゃないけれど、やはりいつも自然と口から出てるダジャレで
(生徒会の一年生二人は少なくとも)一歩引いてしまっている。
今日は出来るだけ言わないようにしていたけれど、そろそろ限界かもしれない。
「お待たせしましたー」
「いえ、全然待ってないわ!それでこのあとどこか寄りたいところでもあるのかしら?」
「寄りたいところって言うか……杉浦先輩に提案したいことが。あ、これあげます」
「これ…くらげ3姉妹のストラップ?そんな!貰えないわ」
「日頃のお礼です。それに受け取ったからにはこれから言うこと聞いて下さいねw」
私は手の中にある物を見て、もう一度吉川さんの顔を見て、開いた口が塞がらなかった。



私達は公園へと足を運んでいた。
のどを潤すために自販機でジュースを買ってベンチに座る。
「えっと、それで何かしら?」
「私、結衣先輩が好きじゃないですか」
「え?そ、そうね」
「杉浦先輩は、京子先輩が好きじゃないですか」
「え?そ、そう………げふっ」
盛大に口の中にいれていたコーヒーを噴いてしまった。
「隠してもバレバレですよ。京子先輩はどうだか知りませんが」
「けほっ…それでどうしろと」
最早何も言い返す気力もないまま吉川さんの言葉を待つ。
正直なところ、悪い予感しかしなかった。
「このままだと私達、一生片想いのまま終わりますよ。だからここは組みましょうよ」
「組む?」
「結衣先輩のこと教えて下さい!代わりに京子先輩のこと教えますから」
「でも、吉川さんは赤座さんから色々相談してるって聞いたわよ?」
「あかりちゃんが二年の授業風景まで知りませんよ。それに先輩だってごらく部の活動、知らないでしょう?」
「それはそうだけど…ごらく部の活動は容易に想像出来るわ」
「杉浦先輩が京子先輩とくっつけば、私にしてるスキンシップのあれこれが先輩に返って来たり…ね」
「え!?」
スキンシップなんてして欲しい訳じゃない。
だけどいつの間にか私は言葉巧みに吉川さんに乗せられて
情報交換のやり取りをするようになっていた。



そんなある日のこと。
いつものようにさりげなく船見さんのことを探ろうとしていたら逆に彼女に呼び止められた。
「最近の綾乃って私といること多いけど…何かあった?」
「な、何かって何かしら?別に何もないけど」
「そう…?」
「そうよ、うん」
「まあ何かあったら言ってよ。すぐに飛んで行くからさ」
「…ふぇ」
ちょっと今のは不意打ちじゃないかしら?
吉川さんが夢中になるのも頷けるわ。
ちょっと危なかった。ミイラ取りがミイラじゃ笑うに笑えない。
って、思っていたらメール。
タイミングバッチリね、吉川さん。
『会って話したいので放課後時間下さい』
いつもはもうちょっと長めの文章を送って来る彼女にしては変だった。
とりあえず返信して、と。
こういう時の時間なんてあっという間だ。
放課後。
彼女は静かに立っていた。
吉川さんはこちらの存在に気が付くと、一言。
「京子先輩に告白されました」
「え……え?」
「物凄く真剣な顔で…でもやっぱり私の中で京子先輩は京子先輩でしかなくって、」
「うん」
「結衣先輩も…今は好きな人がいるって、言われて」
「……そう」
「うぅ…杉浦先輩ぃ。う、うわぁああぁあぁ」
そっと抱きしめて彼女の泣き顔は極力見ないように空を見上げる。
雨は降っていない。でも私も彼女も雨に濡れたい気分で。
いや、一番惨めに映ってるのは私自身かも知れなかった。



あれから半年。
「遅いですよ、綾乃先輩」
「ごめんなさい。吉川…さん」
「ち・な・つ!」
「呼ばないとダメ?」
「呼ぶまで返事してあげません♪」
「えっ」
そう言って吉川さ…ちなつは私の手を引いて歩き出した。



「ていうSSを書いてみた、京子たんに協力して貰って紙芝居にして貰った」
「いやー、楽しかった!西京極ラム子最高傑作かもしれん」
「綾乃ちゃんへの誕生日プレゼントこれで勘弁ね!」
「それにしても管理人さんもやるねー。綾ちなとかマイナーカプ」
「王道もハマるけど、マイナーカプのがハマった時に出れない人だよ、私」
「ハマってるの?マイナー」
「今はまだー。だから怖い、ハマった時に」
「それだけですか?言いたいことは」
「綾乃ちゃん、誕生日おめでとう!」
「え、あ、ありがとうございます」
「じゃなくて!なんで私が結衣先輩にフラれてるんですか!」
「収拾がつかなくなりそうだな」
「えっとえっと…終わりですっ!」
「明日のねーちゃん誕生日は期待しないで待っててだって」


あとがき
うん。反省とかないから。
作中で綾乃ちゃんが一回もダジャレ言ってないのは
SSだからだよ!っていう。
綾乃ちゃん可愛い。
[ 2013/01/20] ゆるゆりSS |