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ぴくしぶ





(-_-;)

タイトルに深い意味はないっす、ごきげんよう。
続きからりーくるSS。
ちょっとした過去の話。原作読んでなくても大丈夫、多分w
捏造注意。
【いつかの記憶】

それが解った時には既に隣の教室に着いて、彼女の名前を呼ぼうとした一歩手前だった。
そうだ、ちょっと前にメールで学校休んでるって来たじゃないか。
何をやってるんだ、あたしは。このクラスに他に知り合いもいない。
仕方なく自分の教室に戻ろうとして一人の女子生徒とぶつかる。
ぶつかっただけで女子と判断するのもあれだけど、柔らかかったのだ、色んなとこが。
「どうかしたの?」
「あー。教科書部活の友達に借りようとしたんだけど休んでるの思い出して」
あたしは通行の邪魔にならないように隅っこに移動して、ぶつかってしまった生徒に言う。
すると一瞬の逡巡ののち、その生徒は
「教科は?」
言ってきた。
「え?貸してくれんの?」
自分でも図々しいと思ったけど、ないよりある方が断然いいし。
ま、授業を真面目に受けるかどうかは別として。
「四限数学なんだ。てことは隣?クラス」
「あ、そうそう。なんか色々すっ飛ばしたけど、あたし恵飛須沢胡桃な!胡桃でいーよ」
「若狭悠里よ、よろしく。恵飛須沢さん」
それが悠里との出会いだった。



名前で呼んでいいと言ったあとに名字呼びする辺り、固いと初めは思ったものだ。
のちに悠里が、だっていいって言われてもいきなりじゃ馴れ馴れしいかなって。と言っていたのを覚えている。
四限が始まって改めて彼女の教科書を見る。綺麗だ。綺麗すぎる。
らくがきの一つもありはしない、その教科書を見ているとどうにも何か描きたくなって。
結果、授業を聞くことに決めた。あまり内容は入って来なかったが。
お昼休み。早いところ返そう、そう思って隣の教室に足を運ぶ。手には借りた教科書とお弁当。
教科書返したらそこで食べる気だった。
「え、若狭さんいないの?」
「うん。悠里なら屋上だと思うよ」
若狭さんのクラスにいた女子を捕まえて話を聞くと、この時間いつも彼女は屋上に行ってるらしい。
あまり突っ込んだ話はしなかったがあくまで、静かに食事をしたいと言う。なんのこっちゃ?
短くお礼を言って屋上に歩を進める。こうなったらあたしもお昼一緒させて貰おう。
あたしは手に持った彼女の教科書を見ながら、それにこんな綺麗な教科書持ってるあたしなんてあたしらしくないし!と
自分に言い聞かせた。屋上に上る。
確か屋上は園芸部が使ってるんだっけ?なんでうちの学校は屋上に菜園作ったんだろ。思いつつ扉を開けた。
開けると同時に若狭さんと目が合った。
「いたいた、教科書返しに来た!ついでに一緒に食べようと思って」
「そんな…いつでもいいのに」
「まあまあ。隣座るな」
「…う、うん」
彼女の反応もそこそこに、あたしは弁当箱を開ける。
「なー、おかず何かとりかえっこしない?」
「え?いいけど…美味しくないかもよ?」
ふと気付く。
「若狭さん、自分で作ってる?すげー」
「凄くないわよ。恵飛須沢さんだって美味しそうなおかずじゃない」
「いや、これはマ…お母さんが作ってるし。大体あたしは部活の朝練あるから自分で作るのは無理かなー」
「恵飛須沢さんって何部?」
「陸上。若狭さんはここにいるってことは園芸部で合ってるよな?」
部員以外も立ち入っている屋上だ、現にあたしが今。
「ええ。別に教室で食べたくない訳があるんじゃなくて」
「うんうん。あ、若狭さんサウスポーだ」
知らず知らずに彼女のお弁当に箸が向かっていたのを彼女はやんわり止める。
「こうなっちゃうのよ、私のお弁当食べた皆は」
言って若狭さんはあたしのお弁当から一つおかずを取っていった。
「でも若狭さんのお弁当美味しいし、仕方ないじゃん?」
「それは…今みたいに二人で食べてれば被害も少ないの。だけど」
教室だと悠里のお弁当美味しいよー皆も食べてみなよーとの連鎖だと言う。
「それはこえーな」
「おかずがあっという間になかった時は思わず笑っちゃった」
「笑うのかよ!てか、若狭さぎ…わり、噛んだ」
「ワカサギに聞こえた」
「だから謝ってんだろ。あたしの名字ほどじゃないにしても若狭さんって言いにくいんだよ」
「…悠里でいいわよ」
「あれ、いいの?」
「うん。私も名前で呼ばせて貰うわね」
「それは構わないって言ったけど。てか、名前呼んで欲しかったし」
「自分の名字嫌い?」
「嫌いって言うより、えびとかえびとかえびとか呼ばれてた時期があったからなぁ」
「(小学校の時かしら)折角胡桃って言う可愛い名前があるのにね」
「か、か、か、可愛い!?マジで?」
箸を落とした。食べ終わったあとでよかったと心底ホッとしながら。
自分の顔が赤くなるのが解った。
「可愛いじゃない、胡桃。悠里とか可愛いって響きじゃないし」
「え、悠里もいいと思うけど?あ!りーさんって感じ」
「え?」
「あだ名だよ、あだ名。いいだろ、別に」
あたしが笑うとしょうがないとでも言うように、りーさんは笑った。
「私は菜園の様子見てから教室戻るけど、胡桃はどうする?」
「あ、手伝う手伝う。今何育ててんの?てか、園芸部って具体的に何してんの」
「勿論園芸ね。育てた作物は自分達で」
「食べんの!?」
「食べるわよ。それと、胡桃にも解る野菜だと…あっちに」
「ちょい待ち!」
「な、何」
何じゃない。なんか引っ掛かる言い方されたぞ。
「あたしにも、ってなんだよ。あたしにもって!」
「ごめんなさい。あ、じゃ全部解るのね?」
「勿論!」
解る訳がない。
一度言い出した意地は中々引っ込んではくれない。
そして目の前の菜園も逃げてはくれないのだ。さて、どうしたものか。
「とりあえず、私達一年が植えたもの当ててくれる?」
「いい、けど。あっちの整ってるのは園芸部の先輩が植えたやつ?」
「そう。三年生と一年生しかいないから、事実上引退してる先輩達は滅多に来ないんだけど」
今は秋だ。運動部じゃないにしても先輩が引退した部内は寂しいもんだろう。
「りーさんが植えたのどれ?」
あたしは冷静に振る舞う。どれ?と聞いたところで何も知らないのに、やはりプライドが邪魔をする。
「私はあれね。この秋植えたばっかりだけれど」
近くまで来たけどさっぱりだ。いよいよやばくなった。こうなったら。
「りーさんはこれ、どうやって食べたい?」
我ながら変な引き延ばしだと思う。でも口から出ていたのだ、仕方ない。
「…ねえ、胡桃?解らないなら解らないって言っていいのよ?怒らないし。寧ろ数学の教科書についてちょっと」
「色々とお見通しですか。あと教科書は見逃してくれるとありがたい」
「もう」
先程借りた教科書。実は少しだけ、ほんの少しだけらくがきをしていた。
小さく溜め息を吐いたりーさんはそれ以上何も言及して来なかった。
ちなみに植えられている物についてもその時は教えてくれなかった。
予鈴が鳴ったからだ。結局お昼休みはずっと屋上にいた。
いずれ、この場所がこんなに大事になることなんて当時のあたしには考えもしなかった。



「タマネギ!」
「何?胡桃。その寝言」
「あれ?あたし、なんか言ってた?」
「タマネギ」
連日の見回りで疲れていたあたしは、うつらうつらと夢の世界へ漕ぎ出していた。その矢先。
「タマネギ…あ、あれか?あたしとりーさんが知り合って間もない頃にりーさんが育ててた野菜」
「そういえばそうだっけ?何、夢ってその頃の?」
「ハッキリ覚えてる訳じゃないけど」
「酷かったわよね、胡桃の知ったかぶり」
「ごめんって」
外を見ると日が傾きはじめている。そろそろ授業に出てる由紀や、それを密かに見守ってる美紀も帰ってくるだろう。
シャッキリしないと。
「頭は起きた?」
「ああ、もう平気」
明日も終焉した世界を楽しむために。あたしは。


あとがき
昨日勢いに任せて携帯にガーッと書いてたやつ。
平和だった頃が書きたかったんだよ。
無修正なんで誤字あったらゴメンね。次はみーくる予定。
予定は未定。
[ 2015/10/09] がっこうぐらし!SS |