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ハロウィン。

続きからちなあか。
終始ほのぼのー。
【君が隣にいる、幸せ】

「トリック・オア・トリート!」
「ふえぇ!?あかり何も持ってないよぉ。てか、今お菓子作ってる途中」
知ってる。
ここは私の家だし、お菓子作りを誘ったのだって私なんだから。
「まあまあ。トリック・オア・トリート!」
「…ない、けど。もうちょっと待っててよぉ」
やだ。
あかりちゃんで遊べないじゃない。
「あ、お菓子出来るまでお団子弄ってていい?」
「ダメー」
「肩揉んであげ…」
「い、いい!」
「悪戯していい?」
「ダ、…もう、分かったよぉ…いいから」
何か諦めムードのあかりちゃんを見ながら、私は最高級の笑顔をプレゼントしておいた。
うんうん、やっぱりあかりちゃんで遊ぶのは
もとい、あかりちゃんと遊ぶのは楽しい。
「あかりちゃんの家ってハロウィン特別に何かしたりする?」
「しないかなぁ。でもお姉ちゃんが」
「え、お姉さん?」
うん、と続けながら。
「何か用意してるみたい。教えてくれないんだよぉ」
「へぇ。そっか」
自分でも引き攣った笑いをしてるのは解ってた。
けどあの人だけは苦手だ。
「ちなつちゃんは?」
「何?」
「用意。してる?」
「あー。ウチではやらないかなー…」
「そっか」
「だからお菓子だけでも作ろうってなったんだもんねー」
「そうだったね」
「向日葵ちゃんに感謝だ」
「向日葵ちゃん、作った傍から櫻子ちゃんに食べられてそう」
「…あの二人そういう仲だから関係ないでしょ」
「そういう?」
「あかりちゃんは知らなくていいの」
お菓子が出来るまで、たわいもない会話。
お菓子と言ってもクッキーだけだけど。
「焼き上がり、楽しみだねぇ」
私の煎れたお茶を飲みながらぽつりとあかりちゃんが言う。
「てかさ、クッキー出来たら食べてみるんでしょ?」
「うん。ちなつちゃんも食べようよ」
てことはだ。
「お茶クッキーに合わない」
「え、あ。でも折角ちなつちゃんが」
煎れたのは私だけどさ。
ちなつちゃんはお茶煎れるの上手だよねぇ~だなんて
あかりちゃんに笑顔で言われちゃ煎れない訳にはいかないでしょうが。
それに、
「あかりちゃんのそんな顔見たくない」
「ちなつちゃんありがとう」
「ん?何が」
あかりちゃんがえーだのなんだのと言ってたけど、ちょうどオーブンが鳴ったから
何がなんなのかあやふやなままだった。
まあ、いっか。
「わあ!いい感じに焼けたね」
「確かかぼちゃ味も作ったっけ。あれから食べようよ」
「そうだね、そうしよっか」
かぼちゃならお茶にも合うし。
見てて美味しそうだったのは本当だし。
「あ、思ってたよりかぼちゃ」
「え!?あ、本当だ。てか、ちなつちゃん!そのクッキー、あかりが作ったのだよぉ」
「いいじゃない、別に。同じ同じ」
あかりちゃんが作ったの食べてみたいなんて一瞬でも思ってなんか、ない。
絶対に、ない。
「もう!それじゃ、あかりだってちなつちゃんの食べよっと」
深い意味なんてない。解ってる、解ってるけど。
「あかりちゃんってさー」
「うん?何」
「将来絶対女の子泣かすよね」
「…えー!何それ」
「いや、泣かすって絶対」
「だからなんでー」
未だに頭に?マークがつくあかりちゃんを目にしながら、その頭を撫でてみる。
なんか無性に撫でたくなった、あかりちゃんの魔力だ。
「撫で心地最高」
「…ちなつちゃん、手洗ったよね?」
「洗ったよ」
「洗ってないよ!平気で嘘吐かないでよ」
「ゴメンって。大丈夫、頭は汚れてないから」
「そういう意味で言ってるんじゃないのに…」
「はいはい、ゴメンゴメン」
また頭を撫でてみる。勿論怒られた。
でも怖くないのでまた撫でる。
「ちなつちゃん、せめて手は洗って」
「あ、うん」
今日はかなり楽しい日かも知れない。
「ちなつちゃん?」
「あかりちゃんもお団子洗おう」
「ちょっと!」


あとがき
中学生はほのぼのしてないとね!
ちなあかのこの癒し空間が好きだわ。
[ 2015/10/31] ゆるゆりSS |