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寒ー

続きからSS
りーくる。ネタバレなし。
みーくん加入前。
【君の隣でずっと】

言葉にすれば簡単なのにそれが出来ない。
そんな感じで一体どのくらいの時間が過ぎたんだろう。
たった一言でもいいのに言えないんだから、我ながら情けない。
いつもの顔で家計簿とにらめっこする彼女。
もう何回と見た顔だ。そろそろ目が合う、考えていたらやっぱり悠里の顔が上がった。
「何か話でもある?」
決まったように言う台詞。
だからこちらも決まってこう返す。
「だってそろそろ悠里、寂しがると思って」
クスリと笑うとまた家計簿に目を落とす。
最近、どうにも思うことがある。
悠里はあたしの全てを見透かしてるんじゃないのか?と。
何も言わないあたしに焦ったさを感じつつも、あたしの口から何かを話してくれるのを待ってる、そんな気がする。
「そういえば、ねぇ胡桃?」
「んー?」
一瞬反応が遅れそうになった。
いけね。しっかりしてねーと。
「由紀ちゃんだけど」
「何かしたの?あいつ」
「そうじゃなくて。そろそろ一回ここに顔出す時間帯よ?」
「うへー…もうそんなに経ってた?」
「経ってた。私達もお昼食べる準備しましょ」
「悠里さーん、ご飯食べたいですー」
「我儘言わない」



由紀がいると気が楽なのは確かだ。
何気ないことで笑わせてくれるし、変にあいつを意識する必要もない。
だからあたしはなんで悠里と二人だと言葉が出て来ないんだ。
「めぐねえに怒られたー」
ドアを開けて由紀が入って来た。
どうせお前が何かやらかしたんだろ?と言うと、由紀はやらかしてないもん等と抜かしていた。
あの感じじゃ嘘だな。
何やったんだか。いや、やらかしたことにしたんだか。
「あーあ。なんか伝説の生き物にでもなりたい」
「どうしたの?くるみちゃん、急に」
「別に…なんとなく?」
それをどう取ったかは知らないけど、悠里が口を挟む。
「胡桃は足速いから韋駄天じゃない?まあ、韋駄天自体も俗説あるから一概には言えないけど」
「韋駄天??天ぷ」
「じゃないからな?韋駄天ってのは」
分かってるよ!なんて由紀から返って来たが、分かってないから言ってるんであって。
しかし、韋駄天ねえ…もっとこう。
「あ、りーさんだったら何かな?」
「私?」
「りーさんはあれだろ。あれ」
「あれ?」
「あれって何かしら?胡桃」
あれ。
口には出してみたものの、肝心の名前が出ない。
これじゃ、由紀のこと笑えないぞ。
ふと悠里と目が合う。答えを期待されている。
答えなければいけないのは分かってる。
だけど。
「くるみちゃん、ほらりーさんも待ってるんだから!」
「それは知ってる。そろそろ由紀は戻った方がいいぞ?」
何故か由紀の前では言いたくなかった。



「それで?」
悠里が問いかける。
少し逡巡したあと、ある人物の名前を挙げる。
「伝説っつーか、世界三大美人だっけ?悠里に合うと思うぜ?」
「そう。ありがと、それで他には何か言うことはないのかしら?」
「…今日もお綺麗で」
「それだけ?」
「………お綺麗で」
「さっきも聞いたわよ?」
やっぱりあたしは、まだ当分は悠里に何も言えないし、言わない状態が続くんだろう。
悠里も無理に聞き出そうとしない、それでいいんだ、あたし達の関係なんて。


あとがき
なんだろう。ヘタレ沢か。
さっさと告れよ、頼むから!って書いてて思ってた。
次回も未定。
気分で書いてるから、最近は特に。
[ 2015/12/08] がっこうぐらし!SS |