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うばー

続きからりーくるSS。
りーくる幼馴染設定あり。
原作バレなし、多分。
【これから、きっともっと】

思えば一目見た時に気付いてた。
向こうはどうだか知らない。
だけど、あの頃は本当に楽しかったから。
何かあの頃を否定されたようで悔しかったんだ。
「初めまして、若狭さん」
りーさんと高校で一緒になった時に出た言葉だ。
初めましてでもなんでもないんだけど。そして、若狭さんなんて呼んだ記憶もないけど。
「あ、初めまして。えっと…」
だから、暫くこの人を若狭さん呼びしてた。
向こうに悪気がないのは見てて分かった。
十数年で色々なところが育ったのも。
彼女が言う恵飛須沢さんにも慣れてきた。
本当に綺麗さっぱり忘れてそうな感じが時折見え隠れする。
ある時、訊いてみた。
「若狭さn…ゆうりちゃん?あたしのこと覚えてる?」



覚えてる?と訊いても彼女の表情はイマイチ読めない。
何か言いたそうに口を開いて、言葉が紡ぐ。
「幼稚園の時一緒に遊んでたくるみちゃんでしょ?覚えてるわ」
割とすんなり答えが返ってきた。
「初めましてってなんだったんだよ」
「それ、貴女が言う?」
「覚えててくれてるかなーって思ってたのに、初めましてとか言うから!」
「それに関しては謝るわ。ついノリで返しちゃって」
「えー」
そういえば、と思う。
あの頃から悠里は泣き虫だった。
泣き黒子があったのもあの時のまま。
「どうしたの?」
ずっと顔を見てたら声をかけられた。そんなに凝視してたつもりなんてないんだけどな。
「いや、あたしのことは胡桃でいいから。あたしも呼び捨てするし」
「え、うん」
悠里と別れてふとあの出来事を思い返す。
やはり、記憶の悠里はいつも泣いていた。
ーーー
「どうしたの、ゆうりちゃん?」
「くるみちゃんー」
あたしを見つけるなり抱きついてきた。
着ていた洋服は泥だらけだった。



「転んだの?」
「うん…」
「ほら、泣かない!」
そしていつもあたしが慰めてたっけ。
可愛かったなぁ、あの頃の悠里は。
今が可愛くないとかじゃないけど。
ーーー
授業中。
悠里は真面目に受けすぎだと思う。
あたしが真面目に受けてないみたいな感じに聞こえるが
それなりに授業は耳に入ってる。
耳に入ってるけれど、頭に入ってるかは別だ。
チャイムの音で一気にだらける。
次なんだっけ?
「…移動よ、恵飛須沢さん」
「あ、さんきゅー」
「いえいえ」
って悠里かよ!
あまりにも自然に呼んでくるもんだからスルーした。
「呼び捨てでいいって言ったじゃん」
「そうだけど」
「まあ、いいや。移動だるい」
「もう。そういうこと言っちゃダメよ、胡桃」
彼女は不意打ちが好きらしい。
思わず顔が赤くなる。それを見逃さないのは流石悠里だ。
「な、何」
「ううん。胡桃も可愛いところあるんだなって」
「な、なんだよ、それ」
ニコニコしながら言う彼女にそれしか返せなかった。
教室に着いて、席に座る。
まだ予鈴まで多少時間がある。だからだろうか。
「噂で聞いたんだけど」
悠里があたしの席近くで雑談を始めた。
「席座ってれば?」
「まあ、まだ時間あるでしょ?」
「…そりゃ悠里の言う通りだけど」
「あ、名前呼んでくれたわね」
「そう?」
ずっと昔から名前で呼んでた。
そんなことは声には出さないまま。



それからまた悠里と一緒に過ごす時間が増えた。
ただ増えただけ、と言われればそれまで。
でも。
「どうかした?」
「べっつにー」
「変な胡桃」
こんな何気ない時間が幸せなんだ。
隣に君がいる、それだけで。
「幸せを噛み締めてたんだよ」
ハテナマークを頭に浮かべた悠里を横目に歩き出す。
どうか、こんな時間がずっと続けばいい。


あとがき
りーくるー。幼馴染設定。
こういうの書いてみたかった。反省?していない。
これ、ちょい実話入ってます、初めましてはねーよな!幼稚園であんなにベタベタしといて(ry
[ 2016/01/04] がっこうぐらし!SS |