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なんかブログの投稿ページが新しくなってる

使い辛そうだったから古いままでやってる。
これ、後々投稿ページ古いバージョン使えなくなるとかじゃないよなぁ。
続きからりーくる。時系列、高校のどこか。
若狭に段々落ちていく恵飛須沢。
【落ちた先が例え奈落であっても】

悠里が吊り橋を渡り始めた時に止めていれば。
少なくとも今の状態は未然に防げた筈だ。
それでも、あたしは吊り橋を渡る悠里に気付いてもいなければ、いつの間にか一緒の橋にいる。
そして合図と共に落ちるんだ。
馬鹿げてる。合図なんて、さっき悠里が言ったじゃないか。
「好きよ」
馬鹿げてる。こんなの、ただの吊り橋効果じゃないか。
なのに。あたしは、何も言えないまま。
一緒の橋から落ちるだけの時間を待ってる。
揺らす。
止めてくれ、悠里。吊り橋を揺らしたらどうなるかってことぐらい解るだろ?
……解ってる。あたしが気付いてないからこうして落とそうとしてるんだ。
悠里はあの合図から、何も言わない。
やがてあたしは、悠里と共に下に落ちた。



未だに悠里が好きかと聞かれれば答えに窮する。
それでも。あの時、好きじゃなくてもいいからとほぼ泣いてる顔で言われては、放っては置けない。
「なあ、悠里」
「何かしら?」
「こっちずっと見て楽しいの?」
「嫌なら見ない」
嫌だなんてあたしが言わないの解ってて、こんなこと言うんだ。目を背けながら返す。
「もう、いいよ。ずっと見てれば?」
「照れてる?胡桃」
「別に」
嫌なら…こんな始まりの言葉も今回が初めてではなかった。
ーーー
「嫌ならしないから、そういうこと。当たり前だけれど、ね」
「そういうこと?」
「だから、キスとか。胡桃が私のこと好きになって貰ってからしたい」
「んなっ…!」
ーーー
あまりにサラッと言われた言葉は今も胸に焼き付いて離れない。
嫌いじゃないさ。ただ、友愛で終わらせたいって気持ちが強いんだ。
シャベルの手入れを終わらす。随分と時間かけて磨いたのにそんな気がしない。
「綺麗になったわね」
「んー、そうだなー」
ずっと見られてた所為もあるのかも知れない。
チラッと悠里を見る。目が合う。
最早目が合わない日なんてあっただろうか。
「どうかしたの?」
「悠里っていつからあたしのこと好きだったんだっけ?」
「前に話さなかった?」
「そう?」
「改めて話すのは少し恥ずかしいけど…それじゃ、少しだけ」
悠里はそう言って懐かしそうに話し始める。
話し始めたのはいいんだけど。
「あれ?ねえ、なんか話聞いてると結構大分前からってことになるんだけど?」
それを聞いた悠里は言う。眩しかったの、と。
「いつも先輩の話を嬉しそうに話してる姿がね。私も幸せになるくらいには」
赤くなる。あの頃から悠里はあたしのことを密かに想っていた訳で。
あたしはあたしで、先輩が先輩がと悠里に相談を持ちかけたりしてた。
「さっさと言ってくれればよかったのに」
「言ってどうするの?胡桃を苦しめるだけなのに」
「…」
何も言えなかった。
随分と前から、悠里は吊り橋の上で揺れていた。
それに気付こうともしないあたしも愚かだ。



「でもね、胡桃」
「何?」
「あんなこと言って今更いつも通りなんて出来ないでしょう?」
「んなことねーって。悠里は悠里だし」
現に普段通りに過ごしてる筈だ、少なくともあたしは。
それに、いつも通り接してなきゃ、今こうして話すこともないと思うけど。
「そう?」
「そうだよ。それにまだ諦めた訳じゃないんだろ?だったらいいじゃん」
そうだ、諦めてないから。
あたしはその内、悠里に心も身体も支配されそうで。
「ありがと、胡桃」
「お礼言われるようなこと言ってないけど」
「またまた。そういうところに私、惚れちゃうのよ?」
ナチュラルに手を握ってくる。
別に構わないが、友愛で済ましたかった心は、最近そうも行かないらしい。
こんなことでドキドキしている。
ちょっと前ならなんともなかったのに。
もしかしたら、あたしは。
そこまで考えて、思考を中断する。
認めたら後に引けない。
でも、奥底では認めてる自分もいる。
あたしは気が付いたら、口に出していた。
「…いいよ、しても」
「胡桃?」
「だ、だからしていいよ。その、キス」
身体から一気に熱が出る。
あつい。
今更後悔なんざしないけど、顔が真っ赤になってるであろうことは恥ずかしい通り越していた。
「………いいの?」
首を縦に振る。
もうろくに言葉も出て来なかった。
悠里は握っていた手を離すと、ゆっくりとあたしの頭へと移動して行った。
そして撫でた。
半ばパニックに陥りそうなあたしを見ても撫でる手は止まない。
「悠里?」
「今日は止めておくわ」



え。
どうして、と聞こうとした。
「な、なんで?」
「なんでって、胡桃から好きって聞かされてないからかしら?」
「そ、それはそうかもだけど」
「でしょ?私のことちゃんと、好きって言える時までお預けね」
そう返す辺り、こちらの考えはお見通しなのだろう。
「でも、悠里のことちゃんと好きだからな!」
「友達として?」
「そこ突かないでくれよ」
「ふふっ、気長に待ってるわ。待つのは得意だから」
そんな悠里は満足そうに笑っていた。


あとがき
たまにはいいよね、こんなのも。
このあと、無事恵飛須沢は落ちますよ。
吊り橋吊り橋言ってるからね!落ちるのは確定済。
落ちたらバカップルになればいいんだ。
[ 2016/04/17] がっこうぐらし!SS |