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ぴくしぶ





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続きからりーくる。
ちょっとした夏の話。
バレなし、高校編。
しかし、高校編しか書いてないな。
【こことかそことかあそことか】

「そろそろ寝よっかー」
珍しい。
由紀からもう寝ようなんて言葉が出るなんて。
顔に出てたのか、由紀がくるみちゃん失礼なこと考えてるでしょなんて言ってくるが適当にはぐらかす。
でも確かに眠くなってはいた。
「寝ましょうか、明日も早いですし」
「そうね。2人は先に行っててくれないかしら?私と胡桃はあとで行くわ」
なんて悠里に言われる。
「聞いてないよ。何?用事でもあるの?」
「まあ、用事と言えば用事ね」
ハッキリしない。
何かあるのかも知れない。
あんまりこの場で深く追求はしないでおいた。
「それじゃ、くるみちゃん、りーさん。おやすみー」
「おやすみなさい、先輩。お先に失礼します」
「おやすみなさい、2人とも」
「おやすみ。すぐそっち行くから」



すぐそっち行くとは誰が言ったか。
あたしは目の前の若狭悠里をなめていたかも知れない。
「まず、残ってる片付け終わったらトイレ付き合って欲しいんだけど」
「なんだ。そのくらいならお安い御用だけど」
この時点で気付くべきだったのかも知れない。
だけどあの時のあたしにはそんなこと出来る筈もなくて。
「胡桃はトイレ平気?」
「んー。しておこうかな」
トイレに向かう途中の会話。
特に話らしい話もそこそこにトイレに着く。
「胡桃先入る?」
「いいよ、悠里からで」
「ありがと。終わったらまた少し付き合って欲しいところがあるんだけどいいかしら」
「どこ?」
悠里は上とだけ言って、個室に入っていった。
こんな遅くに屋上?
ここでさっさと気付いてりゃよかった。
なんて、もう何を言っても遅いけれど。
全くいない訳ではないあいつらの気配を探っていたら、いつの間にか出ていた悠里に驚かされた。
変な声を上げたあたしに悠里は満足そうな笑みを浮かべる。かなり恥ずかしい。



「1度夜の屋上に行ってみたかったの」
「言ってくれればいつでも付き合ったのに」
「そうなんだけど、ね。胡桃怖がりだから」
ふと立ち止まった悠里を見る。
釣られてこちらも立ち止まる。
「何?それだけの理由で今まで行かなかったの?」
「出るのよ?それでも付き合ってくれた?」
「出る?」
「ええ」
その顔がいつにも増して面白そうにしている。
楽しんでいる。
すぐに解ったけれど、多分あたしは楽しくないだろう。
廊下を抜けて階段まで躍り出る。
窓から入る風が悠里の髪を攫っていく。
一瞬、見惚れてしまった。
「さ、さあ。行くなら早いとこ行っちゃおうぜ」
「あ、ちょっと」
鼓動が早いのは出ると聞いたからなのか、それとも先程の悠里を見てしまったからなのか。
どちらも正解で割合的には後者が圧倒的に多いんだろう。
息を吐いて屋上の扉に手をかけた。
風が気持ちいい。
漸く後ろから悠里が追い付く。
「夜空綺麗じゃん」
「ね、胡桃。覚えてる?」
「何が」
改めて悠里を見ようとした。したのだけれど。
振り返った先に彼女はいなかった。
可笑しい。さっきまで一緒にいた筈なのに。
さっきまで?さっきっていつ頃からだろう。
急に不安になったあたしは急いで屋上をあとにする。
階段を見た時、見覚えのある姿がいた。
「胡桃…」
あたしは我慢なぞ出来ずに悠里の胸に飛び込んだ。
大丈夫。ちゃんと温かい。
「さっきどうしたの?」
「さっきって。胡桃がどんどん屋上に行っちゃったんじゃない」
「え?」



「私はちゃんと待ってって言ったんだけど、胡桃が」
「ま、ま、ま、待ってよ。屋上来たじゃん。悠里」
「来てないわよ?」
思考が追い付かない。
つまりはあたしが屋上で話した悠里は。
「……いや、まさか。うん、そんな。ハハハ」
「まさか本当に出るなんて」
「ちょ、悠里…」
「でもなんの為に出てきたんだろう?わざわざ私の姿になってまで」
「し、知らない」
「屋上で何か話したりしたの?」
「ごめん、勘弁して」
「あ、ごめんなさい。ホラ、もう1回抱きしめてあげるから」
そんなこと言ってもあたしは。
あたしの機嫌がよくなること、悠里には全てお見通しなんだ。
「ねえ、今日一緒に寝たい」
「いいわよ。それじゃ、部屋に戻りましょうか」
「ん。悠里ありがと」
悠里は軽くあたしの頭を撫でながら歩き始める。
今度は何も起こらないように手を繋いで。
「これで2人してまた遭遇したら凄いわよね」
「止めてよ、悠里」
「胡桃のそういうところ、好きよ」
「っもう!」
部屋に戻ると由紀と美紀はぐっすりだった。
あたしも悠里の布団にもそもそと入り、朝まで夢も見なかった。


あとがき
夏ですから。
ガチな心霊スポットは行かない方が身の為らしいですね。
胡桃ちゃんはあいつらと戦えるのに怖い話ダメなの超絶可愛いと思います。
胡桃ちゃんの後ろじっと見て無駄に怖がらせたいとか思っちゃう。
[ 2016/07/23] がっこうぐらし!SS |