当初考えてたりーくるよりかけ離れたSSが完成した。
オチが見えなかったんだ、仕方ない。そして出来上がったものはみーくん加入前とテンプレである。
ネタはTwitterのTL覗いてたら見つけたのを拝借。
くるみちゃん髪型事情。
【そして今日も明日も2つに結ぶ】
トコトコ。
そんな音が隣から聞こえてくるようで。
呑気な顔をチラと見ては思わず溜め息が出そうだ。
「ダメだよ、くるみちゃん。そんな顔してちゃ」
「んー。そだなー」
「解った、りーさんが寝ちゃってるから機嫌悪いんだ」
よく言う。
人のことを叩き起こしておいて。
「お前がトイレ行きたい言うからだろ」
「だってさー。あ!そうそう。前から聞いてみたかったんだけどね?」
「何?」
「くるみちゃんとりーさんっていつぐらいから仲が良かったの?」
「またいきなりだな」
「ダメ?」
「別にいーけど」
思い出す。
初めて会った日からのことを。
☆
なんで?可愛いじゃない。
あの時の言葉はまだ耳に残っている。
巡ヶ丘学院高校。
ほとんど制服で決めたこの学校の合格発表。
本当は学校に来なくてもよかったけれど。
この目でちゃんと確かめたかった。
おそるおそると番号を目で追って行く。
あれ。あるじゃん。
人間不思議なもので嘘じゃないと解っていても、何回も確かめたくなる。
別に番号がなくて残念、なんてことは1ミリも期待していない。
だけれどすぐに見つかって逆に呆気に取られてしまう。
やべ、ここにいるのすっげー邪魔だ。
自分の番号は見たんだ、さっさと帰ろう。
よく周りも見ずに踵を返したのが悪い。
「きゃっ」
「あ、ごめ…んなさい」
「私は平気。貴女も大丈夫??」
「う、うん」
一瞬でも見惚れてしまった。
☆
離れて行こうとする彼女に思わず声をかける。
どうしてだろう。
少し考えて、それは数日前のことだと理解する。
高校からは髪型を変えよう。
そんな大それた高校デビューとかにするつもりないけれど、ずっと続けてきたツインテールも止めようと思った。
だからだ。彼女の髪型が少し気になっただけ。
「あの?どうかした?もしかしてさっきぶつかった時に…」
「違う違う。今こんなこと言うの変かもだけど、あ。どうだった?結果」
「受かってた」
「そっか、春からは同級生だな!よろしく」
「え、あ。よろ…しく」
そんな一方的な会話にも彼女は話を聞いてくれる。
そんな性格だからか、あたしは調子に乗るんだ。
「その髪型もいいよなー。綺麗だし…あたしがしたら似合わないかな」
「髪型?」
「あ、ゴメン。高校入ったら髪型変えようと思ってて」
「なんで?可愛いじゃない。似合ってるのに勿体無い」
は。似合ってる?あたしが?可愛い??
一気に体温が上昇してくのが解ってどうしようもない。
なんでもいい。
何か言わなきゃ。
そんなもう半ばパニック寸前のあたしが口にした言葉は。
「それってさ、このまま髪型変えるなってこと?」
寒さと色々なものとが綯い交ぜになって赤くなった顔は上手く彼女を見れずに。
「変えるななんて言わないけど…似合うもの変えるのはどうかと思っただけ」
そんなこと言われたら高校でもこれで行くしかないじゃないか。
この日。唯一の後悔があるとすれば。
彼女の名前を聞かなかったことだけ。
入学式。
クラス表を見ていると肩を叩かれた。
誰だろう?振り返って思わず目を見開く。
あの時の彼女がニコニコしながら立っていた。
「あ、えっと」
何話せばいい。
口は動いてくれない。
「改めてよろしく、ね?クラス解った?」
「まだ。探してる途中」
「一緒のクラスになれるといいわね。私、若狭悠里」
「恵飛須沢胡桃、胡桃でいいよ!」
その時の悠里はやっぱ綺麗で。
あたしはここに来てもツインテールで良かったのか考えていた。
「ズルイ」
「何がだ」
「入学前から知り合いだったなんて!」
「あー、ハイハイ。言うと思ったから言いたくなかったんだけど」
「いいなー」
「あと、この話だけど。言うなよ?」
「りーさんに?なんで??」
なんでも何もない。
ただ恥ずかしいだけなのだ、こんなの。
☆
夜が明けた。
起きたら隣がどっちもいなかった。珍しい。
…頭がまだ冴えていない。
もしかしてもしかすると。
あいつは。
「おい、由紀!!!」
勢いよく扉を開けたもんだから何事かと目をこちらに向ける2人。
「おはよー、くるみちゃん」
「おはよーじゃなくて。昨日言ったこと忘れてないよな?」
「昨日?」
「私がトイレ行きたくなってその時に~。りーさんには言うなってくるみちゃんが」
「……なんの話かしら?」
最悪だ。もうこれだから由紀には話したくないんだ。
「あとで話す、な?」
「そう?」
「あたし腹ペコなんだよなー、由紀もだろ?」
「えー。話さないってくるみちゃん言ってたのに~」
そんな由紀の言葉はとりあえず無視した。
あとがき
ツインテールの話。
くるみちゃんのツインテールはかわいいと思います。
でも実際のところ、どんな理由でツインテールにしてるのか知りたい。
あんな髪の長さ伸ばすのに時間かかってるだろうし。