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松さんおめっとー

続きからネ申こと松さんの誕生日記念のSS載せておきます。
いや、今年は勝手に書いただけだけど。というか今、松さんのHP行ったら表示されないな?
あれか。前に言ってたサーバーが不安定云々ってヤツ。大変だ。
続きから恵飛須沢+α。大学出た恵飛須沢のとある話。
【出来るならせめて1日でも長く】

無意識の内に倒した。
別に通り過ぎてしまうんだから倒さなくてもいい。
それなのに無力化するのは、きっと自分が自分でいたいからだ。
そんな頃だった。
あいつら以外の影を見つけたのは。
最初は興味も何もなかった。
寧ろ噛まれてる可能性もあることを考えるとさっさと始末しておいた方がいい。
少し様子を見てみると、飛び出すようにそれは出て来た。
「…」
「……」
思わず力を込める。ついでにシャベルも構える。
急には襲っては来ないだろう。けれど安心は出来ないし、したくもねえ。
それに、だ。
見えにくくなった視界から見えるもの。
それはとてもじゃないけど人間の形はしていない。
動物の形でもないのは認めたくはない。



あいつらがよろりと動く。
間違いなく出て来たこいつを狙っている。
助けたところで何もない。解ってる。
解ってるのに、やっぱり身体は勝手に動いた。
周囲の反応は全くなくなったところで、改めて目を向ける。
あたしも何も言わない。
こいつも何も言わないのは百も承知だが鳴きもしない。
それでも。
あたしの方に寄ってくる。止めろ、お願いだからそれだけは止めてくれ。
距離を取ろうとしても足が縺れてしまう。
ビックリした目の前の生き物はそのままの勢いであたしにジャンプする。
だから。
止めてくれよ。
もふもふとした毛並みは触っていて心地いい。
ただそれだけだ。
あたしが割としっかりと触っているのに、腕の中のこいつは何も言わない。
いや、鳴かない。
もしや鳴かないんじゃなくて、鳴けない?
噛まれてはいない。思わずあたしはこいつを凝視してしまう。



なんで鳴かないんだよ。
いや、そもそもお前は何者なんだよ。
こんなトチ狂った世界、何が出て来ても可笑しくない。
可笑しくないけど、どこかで見たような風貌に考え込む。
どこで見た?
だけど。
思考が追いついて来ない。もういいや。
自由にしてやろう。何か言いたげな瞳と目が合うけど見ないフリ。
優しく地面に下ろそうとした。
したのにこいつは。
下りるどころか、あたしの身体にへばりつく。
そして顔の方へと移動する。
さっさと離れたかった。離れたいのに出来ないのは、きっと自分が自分でいたいからだ。
「ちょ、舐めるなって…」
どう思ってるかなんて解る訳ない。
それでも舐めるのは、こんな奴でもあたしの身体のことは理解してるってことだ。
そんな当たり前なこと、解ってた筈なのに。
必死になってあたしの身体を舐め続けるこいつを見るといたたまれない。
「…?」
んな顔すんじゃねーよ。
それに。
いつまでもこの場にいる訳にもいかない。
行こう。
こいつは可哀想と思いつつも、どこかに置いて行こう。
そうだ、どこかに。
どこかってどこだ?
きっと置いて行ったとして、またさっきみたいにあいつらに襲われる。
そんなのは見たくもないし気分がよくない。
だったらいっそ。
そんな考えも一瞬で消えた。
気付いたら連れて歩いている。
いや、正確にはあたしがゆっくりと歩き始めたあとをこいつが付いて来ている。
振り返る。向こうも目線に気付いて、呑気に尻尾を振る。
「なんだよ、もう」
あたしはこいつのことなんてまるで解らない。
例えここであいつらがやって来て、あたしが目の前の奴を見捨てようと勝手だろう。
でもそんなことはしないだろう。
現に1回先程助けている。何もしないで見捨てる、なんて真似はあたしの性格が許されてくれない。
ならせめて。
こいつが少しだけでも生きられるようにすればいい。
ふとそんな考えが浮かぶ。
周りを見渡す。手頃なビルが見える。
最早まっすぐに立っていないそれに不安は残るが、贅沢は言っていられない。
どうせここに戻ってくる予定だ、シャベルは置いておく。両手で何かを待つように座ったままのあいつを抱えながらビルの屋上へ跳ぶ。
「……きゅ!?きゅー!?」
なんだよ、鳴けるじゃねーか。
それとも何か、ここへ来るのに2、3回しか跳んでないことへの驚きか?悪いな、薄々解ってんだろ。あたしが普通の人間じゃねーってよ。
「ここでじっとしてろ。そうすりゃ、もう少し生きれんだろ」
そう言い残して屋上を去る。そのあと、どうなったかなんてあたしは知りたくもなかった。



シャベルを拾う。
置いていったままでもよかったかも知れないけど出来なかった。
拾った時も殆ど無意識。
どこ行こう。
そうだ、どことかじゃない。
行かないといけない。
チラッと振り返る。視界は悪い。どのビルにあいつを置いて来たっけ。
歩き出す。途中であいつらとすれ違う。
ムカついたのでシャベルを振るった。
くそ、一々こんなことしてたら気が持たない。
目に飛び込んで来たのは、壊れた乗用車。
今日はあそこで休ませて貰おう。別に休む必要はないけれど、そう思ったら自分を見失う。
手錠をかけて横になる。眠れなくても目を閉じれば幾分楽だ。
壊れてしまった世界の中で。消えて行く視界の中で。
あたしはそっとビルの屋上を探した。


あとがき
恵飛須沢とイーブイ。
と言っても恵飛須沢の終始独白っぼい感じな!
こんなの書くなんて今の時期だけだなーと。
また来週になって単行本発売すればそれはそれで五月蝿いんですよ。
[ 2017/03/04] がっこうぐらし!SS |