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ぴくしぶ





5/15

続きからくるみき。
時系列は高校のどこか。曖昧にもほどがある。
ほとんど2人だけしか出ません。
まあ、いつものことです。
【君にしたいこと1つだけ】

絶対とは言ってないが利かない後輩に対し、折れたのはこっちだ。
仕方がない。無理だけはしないと約束し、今は2人で見回り中だ。
「ねえ先輩」
「なんだー?次は美紀の番だけど」
「冷静に考えてやる必要あるんですかね、これ」
「まあ暇潰しにはなるだろ?今日は出そうにないしな、奴ら」
そう言って続きを促す。渋ってた美紀もまた口を開いてくれた。
「えっと、何で終わってましたっけ。「く」?公文式」
「夢のない単語だなー。き、き…鱚の天ぷら」
「天ぷら」
「天ぷら」
いいじゃん、好きなんだし。言ったらそれ以上何も言っては来なかった。
そう、あたし達は見回りの最中しりとりをしている。ふざけている訳ではない。念の為の見回りでこんな日は誰も入って来ない。でも万が一はどこにでもあるから。
「ラベンダー畑駅」
「また「き」かよ…んー……キョッピー」



「キョッピーって…何かのキャラですよね」
「ガンガンお前の知らないキャラ言うからよろしく」
「え、えぇー」
「ところでラベンダー畑駅ってどこにあんの?」
「富良野線の臨時駅です」
そういうことを聞きたかった訳じゃないんだけどな。単に都道府県名を言ってくれればよかった、という考えが顔に思いっきり出てたらしい。
「な、何」
「北海道です、これでいいですか」
「うっ、富良野くらい知ってるってば」
「ラベンダー畑駅は?」
「それは知らん」
「なんか……しりとりって雰囲気じゃなくなっちゃいましたね」
「見回りの中の暇潰しだしな。出ないならお前の負けでいいけど?」
伸びをして1歩前に出る。
美紀の方を見ると、いつもの顔を作って見ている。
あたしの好きな顔だ。好きな筈なのだが1つだけして欲しくないとこがある。
「先輩こっち見すぎ」
「わりーわりー」
今にも崩れ落ちそうな表情は勘弁して貰いたい。ここ最近は頻繁に顔に出てる。誰の所為かなんて解ってるから尚更だ。



「誰も負けだなんて言ってませんよ」
「そうかそうか」
「「ひ」か「び」か「ぴ」で迷ってたんで」
「そこなの」
「且つ、先輩が知らなそうな単語」
「なんでだよ」
軽くチョップをくれてやる。痛いと言って来たが、痛くないように叩いたのでなんともないだろう。
「眉目秀麗」
「急に来たな」
「あまり迷うのもあれですし、先輩のことなんで勝手にタイムアップとか言いそうですし」
「言わないって。それと眉目秀麗も知ってる」
「由紀先輩はダメでしょうね」
「弱肉強食を焼肉定食ってボケるヤツだぞ、あいつは」
「焼肉好きですよね、皆さん」
「お前は?」
嫌いじゃないですよ。
そうこちらを向いて言って来る。そこは好きだって言っとけ。
「次、「い」ですよ」
「い…い、イエティ」
「ゲーム?」
「そー。ドラクエ」
「へぇ。また意外な」
「そうか?触ったことないだけでワンダースワンとか知ってるからな、あたし」
「先輩はゲームのことになると熱いからなぁ。あと次の言葉、一揆でいいです」
「いいですとは。まあいいや。ええと…「き」!」
「もう見回りも終わりに近いですからパパッと決めました」
殆ど「き」しか答えてない気がして来た。
文句を言ってても何も始まらない。答えるか。
「き…Kiss me.」
「はい!?」
まあ当然の反応だわな。知ってた。
「いや、いーんだよ。あたしからしたって。でもこう何回も「き」が続くと思わなかったし!」
「要するにキスしたいんですよね?」
「したいよ」
「天ぷら辺りからしたかったんですよね?」
「お見通し怖い」
唇が重なろうとした。いつも由紀が授業で使ってる教室から音がした。
気にはなったけど、重なろうとしたものを無理に止めることは出来なくて、あたしの口と美紀の口は塞がった。
「教室行きましょう」
「そ、そうだな」
それから由紀の元に行くまで終始無言だった。
由紀は由紀で補習になっちゃったの、などと言い出すし少しでも心配して損した気分だ。
「2人共、一緒にいるの珍しいよね?」
「まあな」
「ホラ、補習なんでしょう?」
「お昼からね!一旦部室戻るー」
「だってさ」
「先輩、見回りってもういいんです?」
「ん、もう満足」



部室に3人で帰って来ると。
りーさんが無言で家計簿を眺めていた。
「ただいま!りーさん」
「(あいつは怖いもの知らずだな)」
「(でも私達だって見回りとか言って遅くなったのも事実ですよね)」
「おかえり、皆」
やっぱりなんか怖い。
どうしたの?とでも聞いて来るような視線は正直、直立不動になってしまう。
「先輩?」
「美紀、あとは頼んだ」
「え、ちょ、ちょっと待って下さいって」
美紀に身体を預けて何も考えないようにした。
何か周りが言ってたようなことも気にならないくらい美紀に全てを任せて。
「ラブラブだねー」
この言葉だけは嫌に頭に残っている。


あとがき
くるみき。
しりとりからこんなのが生まれるなんて誰が想像出来たであろうか。
ちなみにドラクエは知りません。
ワンダースワンは一時期持ってました。
[ 2018/05/15] がっこうぐらし!SS |