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ぴくしぶ





5/26

続きからゆきくる。
この2人は色々考えさせられたりする。
笑って欲しいけど、そうでもなかったり。
でもやっぱり笑顔が1番似合うのはこいつらに行き着く。
【君だっていつどうなるか解らないのに】

「あー!くるみちゃんだー」
「なっ、何。どうした」
今授業中じゃないの?そう言葉が出掛かって口に押し込む。正直危ない。
「めぐねえが作った小テストを出しに行こうとするところだよ!めぐねえちょっと職員室にいるから」
「へ、へー…そう」
小テストとやらは最早テストでもなんでもなかった。知ってるけど知りたくもねえ。
「くるみちゃんこそどうしたの??サボりはダメだよ!留年しちゃうよ?」
「お前に言われたくねーな」
「えー。心配してるのに」
「あ、ところで昨日夢に由紀が出て来たんだけど」
「うん?」
「なんも覚えてないんだよなぁ。覚める前に何か言ってた気がすんだけど」
「くるみちゃん大好き!って言ったんだよ」
「はいはい、職員室見えて来たぞ」
「くるみちゃん大好き!って」
「さっさと行けよ」
それにそんな明るい顔じゃなかった。多分だけど。あたしは自分の身体を見る。嫌な予感がした。



覚悟はしてたつもりだった。してたつもりだっただけで心も身体もついていけない。
めぐねえの変わり果てた姿を見た瞬間に反応が遅れる。それがもう致命的だった。それから先の記憶はなんとか部室に辿り着いた時点で曖昧だった。
何処かに行きたかった、何処かにって何処だ?
そんな気持ちも許してくれない中、あの顔が唐突に過ぎった気がしたんだ。
「ずっと一緒だよ」
「当たり前だろ、バーカ」
幾分身体も楽になっような気さえする。でもここで無理に動いちゃ行けないと直感で思う。
動いちゃ行けないと思いつつ、頭は段々と冴えてくる。身体は汗でベトついている。どうにかしたい。
うっすらと目を開けて見る。あたしの右手を握っている由紀が見えた。
こっぱずかしかったけど、由紀は寝ている。あたしも身体がまだ言うことをきかない。
暫くはこのままにしとこう。
「くるみちゃん……」
「…」
目を閉じる。
握られている右手がやけに熱くなって来た。
…色々なことがいっぺんにありすぎて、頭の中がパンクしそうだ。
めぐねえはどうしたんだ?
美紀辺りがやった??
深呼吸1つして起き上がる。丁度りーさんが起きる頃だった。未だに寝てる由紀を起こさないようにしたけれど、りーさんは涙を流し結局あたしの腕の中には2人が収まった。



「くるみちゃん、このカメラって自撮り出来るかなぁ?」
前を歩く由紀がそんなことを言う。
「難しいんじゃねーの。出来たとしてもお前には出来なさそう」
「酷いー。でも折角のカメラだし…撮りたいよね」
「普通に撮ればいいじゃん」
「くるみちゃんと一緒に撮りたいのにー」
「なんでだよ、りーさんも美紀もいるのに」
少しの間だったけど間があった。そうだよ。2人がいるのに。由紀はあたしの腕が冷たいと言った時から少しこちらを気にする場面が増えた気がする。
なんてことはないけど、目が合うことも増えた。
心配されているんだろうなとは思う。思うけど、具体的に何かをしようとは思わない。
「くるみちゃん?」
「そんなに撮りたいの」
ぱああぁと由紀の顔が明るくなる。撮りたいかと聞いただけなのに。もうあたしは由紀のペースに乗せられている。
「撮ってくれるの?」
「自撮りじゃなきゃいいけど」
「やったー」
「そんなにまでして撮りたいのかよ」
「うんー。でも嫌ならいいよ?」
「嫌じゃねーけどさ」
解ってる。自分の身体が冷たくなって来てることなんて。それでもあたしは気丈に振る舞わないとあたし自身を保てない。
だけど少しくらいなら。
「くるみちゃん、早速撮って貰いに行こー」
目の前のこいつに縋りたい自分もいるんだ。
「由紀」
「なあに?」
「今から言うこと、てかやること…2人には秘密にして欲しいんだけど」
「えー。隠し事はダメだよ?」
「そういうんじゃねーって。ちょっとこっち来て」
「何??」
そばまで来たところを思いっきり腕の中に収める。
ちっちゃいので楽だ。
「ホントに言うなよ?」
「……どうしたの?寂しい?」
「かもな。由紀といると色んな意味で安心するわ」
「平気だよ、私はどこにも行かないし。くるみちゃんだってずっとここにいるんだから」
「………うん」
本当にずっとなんだろうか。考えるのは止めた。
「よしよーし。いい子だね、くるみちゃんは」
「頭撫でるのはどうだろう」
「今のくるみちゃん可愛いよ?」
「だからさ、そういうことあの2人には絶対に言わないようにな」
「わかってるよー」
解ってなさそうだ。こればっかりは信じるしかない。
「戻るか」
「くるみちゃんとツーショット!」
「元気だな」
「くるみちゃんも元気だよね?」
私がぎゅーってしたり、なでなでしたりしたんだから、元気じゃないと可笑しいよ。由紀は加えてそう言っていた。



途中の川で身体を洗う。
この頃には体温なんてほとんど感じなくて。それでも上手く誤魔化していた。
火を焚いたそばにいる由紀を見つめる。バレているのかいないのか解らない。
バレる時はきっと来る、それならさっさとバラした方がいいかも知れない。
「お前はもっと鍛えろ」
「くるみちゃんはゴリラだもん。私には真似出来ませーん」
「ゴリラじゃねーよ、アホか」
「じゃ何ー」
「何ーじゃねえ」
いや、今はいいや。
バレてようがそうでなかろうが。その時に考えよう。
あたしは学園生活部を守る。
それだけだ。
「くるみちゃん?」
「なんでもねえよ」
由紀の頭をわしゃわしゃと撫でる。
ちょっと前の仕返しのつもりだった。何か言ってた気がしたけど、あたしはそうそうにキャンピングカーに戻ったのであまり覚えていない。


あとがき
ゆきくる。
たまにはこういうのも。
ところで単行本派なのでどうなってるのかは知りません。
どうなってますか、私の恵飛須沢は。
はい、少し黙ります。
[ 2018/05/26] がっこうぐらし!SS |